日本信号株式会社 工場見学レポート

 はじめに

我々コインパーキングを生業にするものにとって駐車場用の機械は無くてはならないものだ。
しかしながらその中身については業務上必要となる部分以外についてはしらない部分も多い、今回は実際に駐車場機器が製造される工程に直に接することにより、またメーカーさんの話を実際に聞くことにより、包括的に機器に対する見聞を深め、顧客に対してよりよい提案ができるように駐車場機器工場を視察させていただいた。

 当日のスケジュール

 日本信号株式会社 宇都宮工場  到着

今回は駐車場機器メーカーとしては老舗中の老舗である日本信号株式会社さんの宇都宮工場にお邪魔させていただいた。
宇都宮工場はJR宇都宮駅郊外にあり当日は雨だったせいもあるのかとても閑静な佇まいという印象を受けた。
日本信号さんといえば自動改札機などの鉄道関係の機械を製造していることで有名だが、駐車場機器についてもその品質の高さ・耐久性の高さは群を抜いている。
今回の訪問ではそのあたりの秘密もぜひ探ってみたい。

 ミーティング

今回は我々は2名だけでの訪問だったのだが、手厚い歓迎をいただいた。
応接室にて近況報告や当日のスケジュールの確認など、簡単なミーティングを行い。
工場へと案内していただいた。

 工場見学

続いて機械の工場を見学させていただいた。
冒頭でも少し触れたが、日本信号さんは鉄道関係の機械なども製造しており、工場内にはものすごい数の自動改札機や券売機などの機器が並んでいた。実生活ではよく触れている券売機などもあれば関東近辺ではあまり見かけない種類(同じ券売機にしても)の機械まで実に様々で、本来の見学目的ではないにしても興味を引かれた。
その様子を察していただいたようで、鉄道機器についても丁寧に説明していただいた。
さて、本来の目的である駐車機器だが、現在こちらの工場では規模が小さく、他工場で主に製造されているとのこと。
それでも精算機等の駐車機器を沢山見せていただくことができた。
その中でひとつ目をひいたのがレジである。
これは有人駐車場などで使われるもので見た目はスーパーなんかにあるものとそれほど変わらないのだが駐車場運営ように特化されたものであるらしい。

 展示室見学

今回の見学はこの展示室がメインとなった。
工場で作られている機械を実際にフラップなどとつないで電源を入れ、実際に設置された状態を再現していただき、我々自身が操作しつつ詳しい説明をしていただいた。
特に下記の5点に主眼をおいていろいろと聞いてみた。

 ① 電子マネー専用精算機 ICCTタイプ

これは従来の現金による精算機能を付けず電子マネー(suica等)のみで精算するタイプの精算機。
設置条件を満たす場所は限られてくるが、集金業務等が必要なく、遠隔システムを併用すれば、文字通り「無人駐車場」として運営することができる。
近年ではコンビニでも電子マネーのチャージができるので、駅近隣だけでなく、郊外であってもコンビニが近くにあればこのシステムが導入できるだろう。

 ② 自動料金精算機 ACT206J/216Jタイプ

ゲート式のコインパーキングに設置する精算機で、巷でも多く見られる。
液晶がとてもクリアで見やすく、駐車場利用者にも分かりやすくつくられている。
しかし優しいのは利用者に対してだけではない。
日本信号製の機械は管理者にも優しい使用になっている。
詳しく説明してしまうと膨大な量になるので省くが、運営側の操作(設定変更等)を行う際も内部に同じような液晶パネルが付いておりタッチパネルを操作しながら行うことができるようになっている。
これは上で紹介した電子マネー精算機タイプ、下で紹介する自動精算機タイプについても同様である。

 

 


 ③ 自動精算機 CPL560

下記のパークロックシステムとともに設置する精算機。
上記のゲート式用の精算機にしてもそうだが、日本信号製の精算機は見た目がかなりゴツイ感じがある。
それは見た目よりもよりたしかな安全性を追求しているからなのだ。
それを裏付けるデータとしてひとつ教えていただいたことがある。
こちらのCPL560プロテクター一体型精算機、既に数千台が世にでているのだが、精算機荒らし破られたという報告が未だ1件もはいっていないという。確かに日本信号製の精算機を実際に見れば、これを頑張って破ろうをとは犯人も思わないだろう。

 

 

 

 



 ④ パークロック(タイヤロック式)FLT30、80

フラップ式とも呼ばれるもっともポピュラーなロックシステム。
数あるメーカーの中で日本信号製の駐車場機器は最も頑丈で壊れにくいとされている。
このパークロックについても同様で、壊れず稼動する期間は10年とも言われる。
今回機械内部を見せていただいて、壊れない仕組みを教えていただいた。
その仕組みをここで説明したいところだが文字だけで説明するのはかなり難しい。
「鍵はスプリングにあり」とだけ述べておこう。(私の個人的イメージも多分に含まれています。)
ちなみにこの日本信号式のパークロックは10年前からほとんど基本構造は変わっていないらしい(マイナーチェンジはある)とのこと。
10年前にすでに機械としては完成されたものを作り上げていたということだろう。
うーん、さすが。

 ⑤ パークロック(車体ロック式)FLB80

上記のタイヤロック式にばかり気をとられてこちらの内部にかんするお話は聞きそびれてしまったが、これまでに列挙した他4点の性能をみてもこのパークロックが優れていることは感じていただけると思う。
次回に機械があればより詳しく尋ねてみたいと思う。

 



 工場視察終了

まだまだ機械に対する興味はつきなかったが、時間の都合もあり、展示室見学は終了となった。 2時間以上いろんな話を聞きながら機械を触らせていただいたが、本当に時間が過ぎるのが早かった。 一日を終えて、日本信号さんに対して抱いたイメージはいたってシンプル、「さすが日本信号!」といった感じ。 個人的は話をすると、私はこの業界に入ってまだ日本信号製の機械を本格的に扱ったことが無い。 ふと今日一日を振り返ってみると、実際に機械を操作しながら、「あの場所にはこの機械をいれるとよりいいな」とか「あっちの場所だとこの精算機が適しているな」とかばかり考えていたことに気付く。 最も信頼されているメーカーにはそれだけの裏づけが必ずあるのだということを再確認した1日だった。