株式会社サニカ 工場見学レポート

 はじめに

我々コインパーキングを生業にするものにとって駐車場用の機械は無くてはならないものだ。
しかしながらその中身については業務上必要となる部分以外についてはしらない部分も多い、今回は実際に駐車場機器が製造される工程に直に接することにより、またメーカーさんの話を実際に聞くことにより、包括的に機器に対する見聞を深め、顧客に対してよりよい提案ができるように駐車場機器工場を視察させていただいた。

 当日のスケジュール

 株式会社 サニカ到着


写真1:株式会社サニカ外観

 ミーティング

急な訪問にも関わらず、進藤社長をはじめ総勢4人の方々に出迎えていただいた。
サニカさんの沿革や商品の説明など、色々なお話を伺うことができた。

詳細は省くが、サニカさんが駐車場機器の開発に着手したのは平成4年、そして駐車場機器製造販売を開始したのが平成11年のことである。
そして現在、フラップ部門においては駐車場機器の日本最大手である日本信号さんとほぼ同じシェアを獲得しているという。
わずか9年である。
確かに周辺のコインパーキングを見渡してもサニカ製の機械が急速に増えていることは事実である。

ではその理由は何なのか?
サニカ製品の強みとは何なのか?
この点について進藤社長から直接お聞きする事ができた。

サニカ最大の強みは以下の2点であるとのこと。
  1.顧客に対するコスト
  2.顧客に対する対応力
1について多くを語る必要もないだろう。
サニカさんの機械は実に高い性能を持ちながら丈夫であまり壊れない。
価格も非常にリーズナブルである。
これは論をもたないところだろう。

特筆すべきは2の顧客に対する対応力についてである。
サニカさんは機器販売後のアフターケア体制が他社に比べてすばらしく高い水準にある。
詳しくは工場内にて見た事と踏まえて後述するが、機器を設置し、運営する立場の人間としてはとても心強い。

活字にしてしまうと少し当たり前に感じてしまうがこの2点の高いレベルで実現してるメーカーさんは少ないと私は思う。 この武器が強力であったからこそ、サニカさんは多くのユーザーを獲得し、シェアを拡大して来れた筈だ。

少し話がそれるが、約20年前駐車場機器の主要メーカーの数は100を楽に越えていたという。
それが10年前にはおよそ約20になり、現在は約10にまで減っている。
そして今後もこのメーカーの再編は続くはずだとのこと。

この厳しい状況の中でも、サニカという会社とその製品は確実に生き残っていくと進藤社長は話してくださった。
口調はとても穏やかだったが、その言葉の端々には漲る自信と力強さが感じられた。

今後は大型駐車場部門にも力を入れていく方針だとのこと。
フラップ式駐車場だけでなく様々な駐車場でサニカ製の機器を見るようになる日も近そうだ。

 ミーティング

いよいよ今回のメイン・工場見学がスタート。
(写真2:精算機工場入口付近) (※写真が暗いのは撮影したのが昼休憩時間だったため。休み時間内は照明が落とされる。) 独特の静けさの中、工場に足を踏み入れると見慣れた機械をあちこちに発見できる。 左側には精算機に組み込まれる部品が並べられている。


写真3:精算機工場入口付近

精算機の外殻部分。外殻だけは別の場所で製造されており、その他の工程がこの工場で行われている。
精算機の基本色は緑。
条件が合えば顧客の要望に合わせて色をかえることも可能とのこと。
工場を見学していると「この色は○○○○の色だな」って色の精算機も発見できた。
なぜ基本色が緑なのかも伺ったが、ここでは秘密としておく。
ちなみにこちらの工場、ボーリング場を改装したものらしい。
写真ではわかりづらいが、床の材質などにその面影が感じられる。


写真3:精算機
簡易梱包された精算機。
こちらの工場では、近年需要が増している駐輪場用精算機も製造されている。


写真3:精算機
このような形で周辺機器との接続に問題がないかなどがシミュレートされている。


写真3:精算機
こちらもシミュレーションの1つ。
ここでは雷サーチと呼ばれる動作テストが行われている。(落雷時の機能保全シミュレーション)
※このほかにも恒温室が完備されており、実に様々な状況下での動作テストが行われている。
今年の夏に多かった、都心部でのいわゆるゲリラ豪雨。
雨に伴う雷には我々パーキング運営会社も実に泣かされた。
多くの機器がダウンしてしまう中、サニカ製品は特に高い信頼性を示した。
それはこのような厳しい動作テストによる高い品質基準に裏付けられているのだ。


写真3:チャームライト
注)間違い写真ではありません。
実はこの工場、駐車機器ばかりを製造しているのではない。
アミューズメント事業に使用される機器も同じ工場内で製造されている。

続いて別棟のフラップ製造工場を見せていただいた。


写真3:フラップ
こちらはフラップを製造する工場。
仕上げは人の手によって行われる。
駐車機器のなかでも最も負荷のかかる部分だけに入念に作りこまれている。


写真3:倉庫
こちらはフラップ工場に附属している倉庫。
出来上がった製品が保管されている。
が、中には出荷先が未定の機器も含まれているという。
なぜだかおわかりだろうか?
そう、機器の故障があった場合など緊急の注文があった場合にも即座に対応できるようにという配慮なのである。
冒頭でも少しふれたがサニカさんの最大の強みは高い対応力にある。
ユーザーが機器を取り寄せたいとなった時、一部離島など特殊なケースを除いてほぼ翌日には届けられるそうだ(もちろん100%次の日という訳ではない。ケース・バイ・ケースである)。

 見学を終えて

駐車場機器メーカーとして全国的に多くのユーザーを抱えるサニカさんだが、実は本格的な拠点はこの本社工場のみであるという。
にも拘らずメンテナンスに関してすばらしい対応力を持ち、ほぼ全国に対応可能となっている。
もちろんこれにはちゃんとした理由がある。
サニカさんは機器メーカーとして必要となる開発→設計→製造というステップを全て自社内で処理するこが可能な体制をとっている。
このことによりほとんどの機器に関するトラブルについて迅速に対応する事ができるのだ。
そしてこの俊敏さがサニカさんの強みである、対応力の高さへと直結しているのである。


最後に、今回我々を快く受け入れてくださった、進藤社長はじめ社員の皆様に心より 御礼もうしあげます。